導入実績 “データ基盤”と気負い過ぎない。できそうな”予感”と柔軟さが、現場を動かし組織を変えた

“データ基盤”と気負い過ぎない。できそうな”予感”と柔軟さが、現場を動かし組織を変えた

株式会社KOMPEITO

株式会社KOMPEITOは、「はたらく人をエンパワメントする」をパーパスに掲げ、食を通じた福利厚生サービスを展開しています。生産者の販路拡大とオフィスワーカーの健康を支える“設置型健康社食®”「OFFICE DE YASAI」、オフィスでのプロモーション・サンプリングを行う「OFFICE DE MEDIA」、フードロス削減に貢献する次世代サラダ自動販売機「SALAD STAND」を提供。特許取得のダイナミックプライシング機能を搭載した革新的なソリューションなどを活用し、生産者とオフィスワーカーの双方に価値提供しています。


今回は、経営企画部門とCS部門でデータ活用を担当されている竹之内氏、宮脇氏に、データ統一クラウドの導入背景や導入後の変化などについて伺いました。



≪スピーカー≫


株式会社KOMPEITO


経営企画グループ 竹之内 大輔氏


カスタマーサクセス2グループ 宮脇 拓人氏


 

導入前の課題


  • データアクセスの障壁:システム部門へのデータ抽出依頼に時間がかかり、組織全体でのデータへの迅速なアクセスが難しかった

  • 非効率な業務プロセス:毎月同じレポート作成に多くの工数を費やし、各部門で重複した作業が発生していた

  • データ基盤と方向性の課題:データの構造理解が難しく、専門知識がないとデータを活用しづらい状況があり、全社的なデータ活用を進めにくかった

Srushを選んだ理由


  • オールインワンの機能性:ETL、データウェアハウス、BIの機能が一つのツールで完結し、必要な機能がすべて揃っていた

  • ノーコード設計の使いやすさ:SQLなどの専門知識がなくても誰でも直感的に操作でき、「できそうな感じ」が実感できた

  •  「ふわっとしていても使える」柔軟性:厳密なデータ構造や設計がなくても使い始められ、フレキシビリティを保ちながら実用的に活用できる点が魅力だった 

導入後の成果/効果


  • 業務の効率化:データ依頼と対応の手間と負担が大幅に削減され、作業負担が70-80%減少。Excel関数の複雑な処理が不要になり、テンプレートのズレなどの問題も減少した

  • 組織全体へのデータ活用の浸透:CSでの成功パターンが生まれて共有され、全部門にデータ活用が広がった。自発的な活用が進み、各部門から興味を持つ人材が出てきた

  • データ活用の障壁低下:「誰かが作ったものを真似すればできる」という可能性を見出し、データ活用のハードルが下がった

 

【導入前の課題】日々の業務で感じていた“あと一歩”のもどかしさ

── まずは、お二人のご担当業務と、Srush導入前に抱えていた課題について教えてください。

竹之内氏(経営企画)

私は経営企画部門で新規事業開発を担当しながら、社内のデータ利活用状況の改善責任者も務めていました。当時はデータ抽出にシステム部門への依頼が必要で、数営業日かかることも多く、データのズレがあれば修正依頼で更に時間を費やす非効率さが大きな課題でした。

宮脇氏(カスタマーサクセス)

私はCS部門で、既存のお客様の売上向上や継続率アップに向けたKPIの改善をミッションとしています。日々の業務で感じていたのは、「分析の前に立ちはだかる壁」です。分析に必要なデータにすぐアクセスできず、やりたいことができない状況が続いていました。

特に大量のデータ処理はExcelでは限界があり、関数の不具合で毎回修正作業が発生していました。Looker Studioも試しましたが、DB接続ができず、個社単位でしか見られません。全体像を捉えて傾向分析したいのに、その手段がなかったのです。データが目の前にあるのに、それを活かしきれないもどかしさを感じていました。

竹之内氏:データ活用の課題は全社的に存在していましたが、特にCS部門で最も顕著でした。営業部門はSalesforceのダッシュボードである程度代替できていましたし、配送を担当するオペレーション部門は自分たちでダッシュボードを設計済みでした。ただなんとか回っている、という状態ではありましたが、CS部門には「これだ!」という効果的なデータ活用の武器がなく、最も大きな課題を抱えていました。

 

 

“データ基盤”という言葉の重さが、現場の距離感を生んでいた

── データ利活用の課題は全社で感じていたとのことですが、データ取得のほかには、当時どのようなハードルがありましたか?

竹之内氏:サービスを運用している時に使っているデータベースと、データをしっかりと見るために整理されたデータベースは別物なんです。

しかし弊社の現状だと、運用で使っているデータベースから何とかするしかないのがポイントで、「綺麗なデータ基盤を作ろう」というプロジェクトを一気に実行するのは本当に大変です。自分のリソースを全投入しても3、4ヶ月はかかってしまう。要件定義をして、そもそも会社が持っているテーブルの構造をしっかり理解するだけでも難しさがあります。

全社的にも課題感を持っていたので、ある意味「BIをなんとか導入したい」ということだけが先行していたのですが、そのBIを導入するというのがどういうことなのかという具体的なイメージを誰も持っていなかった。会社が待ったなしの状況でも、実際は何をすべきか誰もわからない状態でした。

これまでデータが必要だった際は、システムグループに「こういうデータを出してください」と依頼して手に入れていました。その依頼先が私に代わるだけでは、構造的に変わらないから意味がありません。個人的にも最も避けたかったシナリオですし、会社としても、データ管理の依頼先が属人化されて、極めて限定的な人にしか頼めないという状況自体が望ましくないですよね。そうなると、データ活用の組織的な定着というのは起こらないと思います。だからこそ、誰もが使えるツールが必要でした。 

 

「オールインワンかつフレキシブルに使える」Srushとの出会い

── その中で、Srushを知ったきっかけや、導入の決め手について教えてください。

竹之内氏:Srushは比較サイトで見つけました。ETLはこのツール、データはBigQueryを自分で構築、BIはこれというように、目的ごとに個々のツールを決めていた中で、最終決定をするか迷っていた時に、ETLとデータウェアハウスとBIが一体化された「オールインワン」のSrushの特徴が目に飛び込んできました。「え?全部入りなの?これは画期的かもしれない」と感じて問い合わせたところ、とても丁寧な対応で多くの情報をいただけました。

実際にトライアルをしてみると、SQLなどの知識が一切なくても扱うことができ、自分の頭の中にある仮説をすぐ形にできましたし、このスピード感には価値がありました。組織的にも大きな決め手となったのは、オールインワンとノーコードという特徴でした。

データの取り扱いに慣れていない人にとっては、「SQL」という言葉が出てくる時点で拒否感があると思います。仕方ないことだと思っていましたが、トライアルでSrushを触っているうちに、みんなにもできそうという予感がしました。そうして宮脇さんをはじめ社内に説明会を開いたところ、他の社員からも「これなら自分にもできそう」という前向きな反応が得られました。

── 導入いただくにあたって、ご不安に感じることはありませんでしたか。

竹之内氏:大局的な不安はありませんでした。細かいところで、例えばトライアル期間中にExcelの連携は試せたのですが、MySQLの連携を試すところまでもできたらよかった、とは思いましたが、とはいえトライアルで求める内容ではないと思ったので、瑣末なことでした。

 

 【導入初期の体験】触ってみて分かった、「これはいける」

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“全体像”が見えたとき、ようやく組織が動き出せた

── 導入して最初に取り組んだことを教えてください。

宮脇氏:まず手をつけたのは、KPIに関わるところです。お客様の利用率や人気商品など、メンバーが見たいものを見られるように、まずはダッシュボードを作りました。当初は、ある程度手こずるかもしれないと思いながらも、Srushを使ってみるうちに、これはいけそうだと可能性を感じました。

特に、システム部門とのデータ取得依頼のやり取りがなくなり、自分の手元でデータを取得・管理できるようになったことは非常に大きな変化です。以前はデータ収集に時間がかかり、Excelやスプレッドシートで都度データを加工していたため、その時点の固定データしか見られませんでしたし、翌月には再びデータを取得する必要がありましたが、この点が大きく改善されました。

また、私が見ている領域には「納品データ」や「決済データ」がありますが、データ量が膨大なため、Excelでは処理できませんでした。そのため以前は個社ごとに確認するしかなく、全体像の把握を半ば諦めざるを得なかったんです。他のBIツールも試したところ、データベースとの接続にハードルがあってうまくいきませんでしたが、Srushを導入したことで、初めて全体の傾向を把握できるようになりました。

── 導入時のサポートで印象的だった体験はありますか?

宮脇氏:サポートは非常に手厚く感じました。

特に初期の頃は、CSの担当の方に「こういうグラフを作りたい」というのをイラストベースでお伝えすると、「こう加工するとできますよ」と丁寧に教えていただけて。壁打ちのように何度もやり取りを重ねて伴走してくれました。また、運用を始めてから関数でエラーが出た際も、チャットの返信が非常に早くて驚きました。その日中には必ず何かしら返信が来るので、スピーディに問題を解決できて本当にありがたかったです。

竹之内氏:CS担当の吉原さんが作ってくれた雛形やグラフのプロトタイプが大きな支えになっており、当時は社内で“吉原メソッド”という言葉が生まれるほどでした。「こういうグラフを作りたい」と相談すると、吉原さんがパッと見本を作ってくれて、それを真似すれば自分たちでもすぐに再現できる。しかも単に再現できるだけでなく、「ここを少し変えてみよう」という応用にもつながり、「これなら吉原メソッドでいけるんじゃない?」といった会話が社内で起こっていました。

「誰かが作ったものを真似すればできる」という再現性の高さこそが、Srushの大きな魅力だと思います。プロトタイプを作ってもらえれば、自分たちもラーニングして同じものを作れますし、そこからさらに発展させることもできる。口頭やテキストだけでは伝わりにくいことも、実物の雛形があることで「これをベースにこう広げよう」と発想しやすくなるんです。

導入初期に、宮脇さんが中心となってCSで使い方を定着させた経験は、他部署に展開していく際のベースにもなりました。自分たちだけでは教えきれない時でも、「まずは吉原さんに一枚作ってもらえば大丈夫」と安心して勧められるのは、実際の成功体験があるからこそです。

決まったパターンがあるわけではありませんが、少なくとも私たち二人の間ではこれでいけるという予感があり、次のチームにも自然に引き継いでいける。「困ったらまず吉原さんに相談すればいい」という安心感があり、自由度高く柔軟に運用できるのはSrushのサポートがあったからこそだと感じています。 

 

【導入後の変化・効果】見えてきた“変化の実感”。業務効率だけではない成果とは

── 運用後に見られた、具体的な変化や効果についてぜひ教えてください。

竹之内氏:業務効率が劇的に改善されたと感じています。システム部門にデータ取得を依頼する手間や、心理的なハードル、Excelで関数を使いこなせずに手作業でスプレッドシートを作っていた時間など、これまでかかっていた多くの工数が一気になくなりました。これが一番大きな変化だと思います。

以前の作業量を100とすると、今は20くらいまで減った実感があります。残りの20は、まだ社内のデータ構造の理解が完全ではない部分があるので、今後Srushで社内向けのデータマートを作っていければ、さらにゼロに近づけるはずだと期待しています。業務改善で生まれた時間に何かをするというよりは、本来はやらなくてもいい業務を減らすことができた、というイメージです。

宮脇氏:大きな変化のひとつは、これまでExcelで苦労していた煩雑な作業がほぼゼロになったことです。以前は、納品データなどのローデータを取得し、指標を算出するためのひな形を自作していましたが、データの形式が少し変わるだけで関数が崩れ、貼り付けた途端にエラーが出てしまうことも多々あり、その修正に多くの時間を費やしていたのが実情です。

また、レポート作成やクライアント対応のために、毎回スプレッドシートにデータを貼り付けては確認・修正を繰り返す必要があり、急ぎの対応が入ると業務時間が大きく圧迫されていました。今では、Srushのダッシュボード上で企業IDを入力するだけで必要な情報をすぐに見られるようになり、結果的に残業時間も大幅に減りました。

“現場の一人”から広がる、健全なデータ文化の伝播

── Srush導入後、他部署にも展開されたと伺っています。組織展開にあたって、どのように社内へ広げていったのでしょうか?

竹之内氏:はじめはトップダウンで全社展開しようとしても、うまくいきませんでした。各部門の責任者に対してデータ活用が必要だと訴えても、なかなか行動に結びつかない。ですが、宮脇さんが実際に成果を出したことで、「宮脇さんがやってうまくいったらしい」「スプレッドシートが軽くなるらしいよ」と、現場の噂レベルで広がっていったんです。

実際、現在では6つの主要部門すべてでSrushの利用が始まっています。それは上からの指示ではなく、「この人がやってうまくいったなら、うちでもやってみよう」という内的動機から広がったのだと感じています。

このときに大事だったのが、どの部門にも“宮脇さんのような人”がいたことです。つまり、現場の課題に敏感で、自らツールを触って試してみようとする人。その存在が、属人化を防ぎつつも、自律的に活用が広がっていく起点になりました。 誰かの成功体験をベースに再現性を持たせて広げていけること。それがSrushを通じて感じている、最大の効果の一つだと思っています。 

 

【未来への展望】柔軟性こそが現場にフィットする。KPIツリーではなく、“見たいときに見られる”環境づくり

── 今後データ活用をさらに広げるための計画やお考えはありますか?

竹之内氏:データ分析というと、綺麗なKPIツリーを作成できていれば上手くいっていると思いがちです。しかし最近感じているのは、一度完成した構造に固執してしまうと、かえって柔軟な判断ができなくなるということです。視点が少し変わるだけで、そのツリーの意味自体が薄れてしまうこともあります。

本当に必要なのは、どれだけ自分たちが柔軟でいられるか。しっかりした枠組みが欲しくなる気持ちは理解できますが、それだとビジネスは回りません。むしろある程度KPIツリーが柔軟に書き変わっても、見たいときに見たいものをすぐ作れる環境こそが大切だと思います。

実態とずれてしまうことはやめたいですし、分析を目的化したくありません。分析のための分析に陥るよりも、日常の意思決定に自然とデータが使える状態を保つことの方が重要です。Srushの良さは、そこに"フレキシビリティ"があるところだと思います。がちがちに設計しなくても、ふわっとした状態で始められて、誰でも扱える。私みたいなハードコアでなくても、ソフトユーザーでも簡単にダッシュボードを触って活用できますし、ビジネスに合っていると思います。

特に弊社の企業規模やフェーズには、Srush での「フレキシビリティを担保されている状態」は、とてもフィットしていると感じています。

 次のステージへ。Srushとともに目指す「データを愛する組織」 

── データを活用する組織になるために、今後どのようなことが必要だと思いますか?

宮脇氏:社内全体にデータ活用を広げていくには、いわゆるデータマートだけでなく、誰にでも理解できる前処理データが必要だと感じています。現状では直接データベースにアクセスする必要があり、それが多くの人にとってハードルとなっています。

しかし、あらかじめ使いやすく整理されたデータがあれば、ちょっと触ってみようかなという気持ちでデータに接する人が増えると思います。この"できそう"という感覚こそが、社内に「見る文化」「活用する文化」を浸透させる鍵だと考えています。

実際、CSではSrushを活用して既存顧客の売上向上分析やKPI分析を行い、お客様への提案に活かすデータトラックユニットというチームが誕生しました。また、メルマガを送信する対象をSrushで絞り込むなどCRMツール的な使い方もできることもわかったので、いろいろ試していきたいですね。

竹之内氏:マネジメントの立場からすると、今後は宮脇さんのような存在を他の事業部でも増やしたいですね。各部門に“宮脇さん的な人”を見つけられる状態が、組織として健全である印だと思っています。全員が分析のプロになる必要はないですが、「この人がいるなら、やってみよう」と思えるような存在が各チームにいることで、組織全体のデータ活用力が自然に底上げされていくんです。

また、心理的ハードルを取り除くことも大切だと思っています。例えば、弊社にとっては“データ基盤”という言葉自体が仰々しく聞こえ、実態と離れていく感覚が強くあります。特にベンチャーのようにスピードと柔軟性が求められる組織では、”データ基盤”という整然とした言葉が、逆に自分たちの思考と矛盾するとも感じていました。

実際、私自身もSrushに出会うまでは、データ基盤構築をすること自体に思考がとらわれていたのですが、Srushを触ってみて、やりたいことが最短でできると気づいた瞬間に、価値観ががらっと変わったんです。まさに、自分の中でパラダイムシフトが起きたような感覚でした。

── 今後、Srushへのご期待があれば教えてください。

宮脇氏:やっぱり「データカタログ」は欲しいです(笑)。Srushは柔らかいプロダクトなので、使い方の共通言語があると、さらに浸透スピードが加速する気がします。

竹之内氏:「OFFICE DE YASAI」というサービスでは、季節限定の商品や作り手の事情など、さまざまな要素が絡み合った商品ラインナップを取り扱っています。これらを1つの軸で並べて比較してみたいとずっと考えていましたが、変数が多く、通常の分析では非常に手間がかかるのが現実でした。

もし、こうした異なる条件の商品を一度フラットに並べて比較できたら、商品開発チームへの提案もしやすくなるはずだと思っており、だからこそ、AI分析機能にとても期待しています。

 

 


■株式会社KOMPEITO

「世の中にシゲキをつくる」をミッションに、2012年9月に設立したベンチャー企業です。農作物の販路を広げたいという想いから、2014年より働く人と企業の健康を促しオフィスの食事環境を整える食の福利厚生サービス“設置型健康社食®”「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」をスタート。「OFFICE DE YASAI」は従業員の健康意識の向上や業務効率の改善に寄与するとともに、消費者と生産者を繋ぐ新たなチャネルの確立により農産物の流通改革にチャレンジしています。 

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  • 会社名:株式会社KOMPEITO 
  • 本社:東京都品川区西五反田2-28-5 第二オークラビル5F 
  • 代表者:代表取締役CEO 渡邉瞬 
  • 事業内容:
    ・社員の健康を支える福利厚生サービス「OFFICE DE YASAI」
    ・オフィスでのプロモーション・サンプリング「OFFICE DE MEDIA」
    ・次世代サラダ自販機「SALAD STAND」 
  • URL:https://kompeito.co.jp/

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