営業基礎知識

営業の年始の挨拶「年始回り」について解説

営業の年始の挨拶「年始回り」について解説 営業基礎知識

年始回りの挨拶は、営業にとって新年最初になる重要な顧客訪問です。商談よりもいわゆる「恒例行事」という側面が強く、年始回りならではのマナーや心遣いが求められるケースも少なくありません。そこで、年始回りの意義や持参すべき手土産など営業知っておくべき基礎知識をまとめました。

営業にとって年始の挨拶回り「年始回り」は重要

「年始回り」とは、一般的に年末年始休暇が明けた頃に営業マンが顧客を訪問して「今年もよろしくお願いします」という姿勢を示す営業活動です。重要な顧客には上司や役員が同行し、手土産(粗品)を持参して訪問するシーンも珍しくありません。慣例の一環ではあるものの、競合他社も同じ目的で顧客を訪問する可能性があることを考慮すると、マナーなどを守り、相手にマイナスな印象を与えることなく終えることが求められます。

年始回りの目的と意義

ビジネス用語として理解されることが多い年始回りですが、本来は「年の始めに親族などの家を訪問して挨拶する」、「恩人や上司などの目上の人物に挨拶して回る」という意味で、必ずしもビジネスシーンが中心で使われる言葉ではありませんでした。一説によると平安時代頃から始まった日本古来の風習でしたが、江戸時代になると書状で年始の挨拶をすることが増え、明治時代以降は年賀状が普及。時代を経るごとに一般大衆の慣習としては廃れていきました。その一方、商習慣としては残り続けており、現在に至ると考えられています。

年始回りのタイミングとは

一般的に「明けましておめでとうございます」と挨拶するのは、門松を立てておく期間内とされています。この「松の内」と呼ばれる期間は、一般的には1月6~7日とされていますが関西地方の一部では1月14~15日など地域差があるので注意が必要です。

そのため、年始回りは三が日を避けた「1月4~7日」に訪問するのがベストだとされています。ただ、実際のビジネスシーンでは営業開始日のタイミングなどにも左右されるので、顧客の都合を優先してなるべく早いタイミングで訪問することが現実的といえるでしょう。

年始回りのマナー・気をつけるべき点とは

年始回りは相手に好印象を抱かせることはもちろんですが、それ以上に失礼がないよう意識することが重要です。年始回りで角を立てないため、以下の5つのポイントはしっかりと押さえておきましょう。

アポイントのタイミングは年末がベスト

年始回りは挨拶だけだからといって、直前やノンアポでの訪問は基本的にNGです。また、顧客の業種や事業規模によっては営業開始直後は担当者にアポイントが殺到している可能性があるので、なるべく早めに営業開始日を聞き出してアポイントを取ることをおすすめします。年末の挨拶の時点で、重要な顧客に対して年始挨拶のアポ取りを行う営業マンもいます。

相手の営業日を確認する

アポイントを取るうえで顧客の営業日を把握することは必須事項です。年末年始休暇の担当者からメールや電話で直接聞き出すことも可能ですが、会社のホームページに営業開始日が明示されることが多いのでチェックしてみましょう。また、製造業や一部のサービス業のように年末年始休暇がカレンダー通りではない企業もあります。いずれにしても、年末に担当者に確認する方法が最も確実といえるでしょう。

次回につなげる内容にする

年始回りとはいえ、顧客と対面できる貴重な機会であることは変わりません。本格的な商談は行うケースはかなり珍しいですが、新年の顧客・担当者の動向などをそれとなくヒアリングするなど挨拶だけでは終わらせない姿勢で臨むことで、競合他社に差を付けられる可能性が高まります。

手土産を持っていく

年末年始の挨拶のどちらかで手土産(粗品)を持参することが一般的です。よって、年末の挨拶をメールや年賀状で済ませたり、訪問時に手土産を渡さなかった場合は年始の挨拶で持参するケースが多いです。

滞在時間は短く、訪問先は多く

年始回りの訪問先での滞在時間は、基本的に15分程度。長くても30分で、短いケースだと5分で終わらせることもあります。普段の滞在時間よりも短く設定し、なるべく訪問数を増やすことを心がけましょう。

手土産から情報を読み取る

挨拶回りは情報を得るチャンスでもあります。顧客を訪問してから会議室までの道のりに、オフィスを通過するケースは少なくないと思います。ぜひ、その際に事務所内をそれとなくチェックして、カレンダーや文房具などがあれば社名を確認してみましょう。顧客とつながりのある企業を発見できる貴重な機会です。

人気の手土産を調査する

デキる営業マンは渡した手土産だけでなく、他社の手土産についてもリサーチを怠りません。挨拶ついでに「何が人気でしたか?」「どんな手土産が多かったですか?」と尋ねると、飽和状態だったり、逆に需要が高い手土産の情報を手に入れられるかもしれません。

その情報を活用すれば、来年以降、より顧客に喜んでもらえる手土産を決めることができます。また、手帳とカレンダーのように自社で複数種類の手土産を用意している企業であれば、次回に持参したり、多めに渡すなど細かな配慮をすることで相手の好印象につながります。

年始回りの手土産

年末年始回りでは、自社で統一した手土産を持参することが一般的です。そのなかでも代表的なものをピックアップして紹介します。

カレンダー

年末年始の手土産の定番です。壁掛けからデスク用など種類は様々ですが、年始に渡すと他社が年末に贈ったカレンダーが、顧客の事務所やデスクに設置されてしまう確率が高まるため、どちらかと年末の手土産におすすめです。

タオル

ビニール袋に熨斗をつけた「お年賀タオル」は、年始回りの手土産としてたくさんの企業に採用されています。実は、送り主(自社名)を名入れする年賀タオルは、江戸時代の落語家や力士が家紋入れた手ぬぐいを年賀に贈っていたことに由縁するとされている歴史深い習慣です。

文房具

自社の社名を刻印したボールペンやシャープペンも年始回りの定番です。実用性が高いうえ、タオルよりも職場で利用する可能性が高いため、より顧客に対して自社の存在をアピールすることができるでしょう。また、最近は手土産用の文房具も多様化しており、スケールやノート、修正ペンなどを採用する企業もあります。

年始回りのアポイントメールの例文

アポイントのメール文は、メールを送るタイミング(旧年・新年)や上司の動向の有無によって異なります。今回は、既に営業開始日を把握していて、12月中に1人で訪問予定の顧客にアポイントを取るケースでのメール文を例を挙げました。

年始回りのアポイントメールの例文

件名:年始のご挨拶の訪問について

株式会社●●(会社名) ●●様(担当者名)

お世話になっております。

株式会社●●の●●でございます。

今年は●●様にはお世話になりまして、心より感謝申し上げます。

来年も貴社の皆様のお役に立てるよう最大限の努力をいたす所存でございますので、引き続きご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。

また、年末でお忙しいとは思いますが、

年明けにぜひ新年のご挨拶に伺えればと存じます。

当方の勝手を申し上げ誠に恐縮でございますが、以下の候補の中で

ご都合のよいお日にち、お時間をご教示いただけますでしょうか。

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1/5(火)11:00~11:30

1/6(水)13:00~13:30

1/7(木)10:00~10:30

 ※可能であれば複数候補日をご提示いただけますと幸甚です。

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新年早々のお忙しい時期かと存じますので、ご提示した日にちが難しい場合は遠慮なくお申し付けくださいませ。

何卒、よろしくお願いします。

年始回りのアポ取りは非常に数が多くなるので、上記のようなメールを送り、候補日を確保して、決定したらカレンダーに書き込んで次の企業のアポイントへ……。と繰り返すのはかなりの重労働です。

そこでおすすめなのが日程調整の自動化・効率化ツールの活用です。Srushではカレンダーをクリックするだけで日程調整が可能。選択可能日時を自動的に選出するので、手帳とにらめっこしながらメール文を作成する必要はありません。Srushは新年からスタートダッシュしたい営業マンにとってはとても魅力的なツールです。

訪問以外の方法

遠方でかつ重要度の低い顧客などの場合、年始の挨拶は「年賀状」、「電話」、「メール」のいずれかの方法を採用することが一般的です。2021年は新型コロナウイルス感染の影響もあり、接触を避けるために対面から上記の方法に転換する企業も増えると予想されているので、各方法のポイントをしっかりと理解しましょう。

年賀状

年賀状はビジネスシーンでも年始の挨拶として有効です。また、基本的に訪問対象である顧客や担当者宛にも年賀状は送るので、敢えて訪問しない顧客に対して特別な作業などが発生することはありません。また、年賀状の印刷を自分で行うケースもあるのでその際はデザインや賀詞には気をつけましょう。一言迷った際は、「和風フォーマル」のデザインで賀詞は「謹賀新年」とすればビジネスシーンに適した年賀状になるのでおすすめです。

また、ただ印刷しただけでは他社の年賀状に埋もれてしまう可能性が高いです。そこで今年のお礼や「来年もご飯に行きましょう」といった一言を添える営業マンも少なくありません。必ずしも顧客全員にメッセージを伝える必要はありませんが、数百枚も書く人もいます。

電話

年賀状やメールと比べると手間がかかるものの、電話で年始の挨拶を行うケースもあります。電話をかけるタイミングは、訪問と同じく「松の内」である1月7日までが基準です。電話であっても相手の貴重な時間をいただいていることは訪問と同じなので、端的な挨拶を意識しましょう。

メール

メールで年始の挨拶を送る場合、相手の都合を優先する必要性が低いので慣例に従って1月7日までに送信してください。宛先は担当者個人がベスト。一斉送信は相手にマイナスな印象を抱かせるあるので避けましょう。件名は年始の挨拶が一目で分かる内容にした後に「謹賀新年」と記載。その下に「昨年は格別の御厚情を賜り、厚く御礼を申し上げます」という定型文を挿入することが基本形です。

年始の挨拶のメール文(例)

件名:年始のご挨拶

~謹賀新年~

昨年(もしくは「旧年中」」)は格別の御厚情を賜り、厚く御礼を申し上げます。

本年は昨年以上に貴社と●●様にご満足いただけるサービスを提供できるよう、最大限努力し続けて参りますので、倍旧の愛顧を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

なお、弊社は1月●日より平常どおり営業いたします。昨年に引き続いて●●の件でお伺いできればと存じますので、改めて連絡させてくださいませ。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

営業の年始回りは計画的に

訪問するタイミングやマナー、各種ツールでの挨拶など、年始回りは気遣うポイントが多いので、訪問先が多い営業マンほど計画的な実施が大切です。重要な顧客や同行する上司のアポイントの早めの調整や、挨拶メールのテンプレートを作成するなど、12月時点で年始回りの計画をある程度立てておくことで、精神的に余裕を持って新年を迎えられます。

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